神の仕組んだ偶然
「ねぇ、これも全部、君がやったの?」
『何がでしょう?』
「俺が前世の記憶を持って生まれて、爽がまた弟として生まれて、愛叶とまた家族みたいに仲良くなれて、またこの場所で、俺が神主をして君と話せているのも、全部、全部、君がやったの?」
『‥‥私にはそんなことする権利も力もありません。あなたが前世の記憶を持っているのは偶然で、爽が弟として生まれたのも偶然で、愛叶と仲良くなれたのも偶然で、神社の神主として私と話せているのも、全て、偶然です。』
「‥‥そんな偶然、あってたまるかよw」
そんな偶然がいくつもあるのなら、あの子とまた出会って、仲良くなって、恋人同士になれたりもするのかな。
「そうだといいよね、真。」